【相談】
お世話になっております。
弊社ではないのですが、弊社の協力会社で、離職引き継ぎのトラブルが起こってしまいました。
長年、経理や総務といった事務周りを一手に引き受けていた古参社員が退職することになり、新たに採用して2ヶ月ほどかけて業務引き継ぎを行いました。
そこまでは良かったのですが、新任者の勤怠が良くなく、タイムカードの不正が発覚したため急遽解雇することになってしまったそうです。
急いで再度の採用をかけ、人員は確保できたのですが、引き継ぎができる人がいない状態になってしまっています。
長年勤めていただいていた方なので、業務がかなり属人化していたため、大まかな業務の流れは残してもらった引き継ぎ資料で把握できても、細かいタスクなどが多く失われていると困っていました。
弊社でも、事務方はキャリアが長い社員も多く、他人事ではないなと心配になりました。
起こってしまった離職者の引き継ぎ失敗はとにかく頑張ってリカバリーするしかないですが、引き継ぎトラブルを予防できるような対策について、アドバイスをいただけたらと思います。
長くなりましたが、よろしくお願いいたします。
【回答】Watanabeさん
企業経営をしていると、べき論でわかってはいても思うようにいかないことが多いと感じています。下記ご参考になれば幸いです。下記4つの観点でまとめてみました。
- 引き継ぎが容易になる普段からの取り組み
ツールの導入は最初は工数がかかりますが、きちんと運用に乗ると結果効率的かつ見える化が進みます。 - 急な離職を防ぐ方法
こちらは効果が測定しずらい部分になってしまいます。 - 引き継ぎのための方法やツール
平時に導入しておく緊急性が無いので、後回しになりがちです。 - 長期的なリスク管理
人数が少ない組織では、そうもいかない部分はありますが、ご参考までに。
1.引き継ぎが容易になる普段からの取り組み
1.1 ドキュメンテーションとナレッジ共有
・業務マニュアルの整備
業務内容を文書化し、定期的に更新することが重要です。具体的には、次のような項目を盛り込むと効果的です。
- 業務フロー(例:請求書発行、経費精算の流れ)
- システムやツールの使用方法
- 頻出する問題とその対応策(Q&A形式)
- 取引先や関係者の連絡先リスト
- タスクの細分化と可視化
大きな業務は細かなタスクに分解し、可能な限り具体的にリスト化します。これにより、属人化を防ぎ、業務の全体像を他者が理解しやすくなります。
例:経理業務 → 請求書発行、入金管理、帳簿記入、月次決算処理
・ナレッジ共有の文化
定期的なミーティングやナレッジシェアセッションを通じて、チーム全体で情報を共有する仕組みを整えます。
- 週次のチームミーティングで「業務の改善点」や「成功事例」を発表
- チャットツール(Slack、Teamsなど)での質問共有 …